真紅の玉座
川はきらめき、液体サファイアのリボンがアメジストとシトリンの洞窟を縫うように流れていた。水晶の構造物がそびえ立ち、生物発光する菌類の幽玄な輝きを捉えていた。ここはエーテリア、生命が鮮やかな色彩で脈打つ地下世界だった。
十六歳になったばかりのライラは、川岸に立ち、素足で冷たい水に触れていた。普段はいたずらっぽさに満ちた彼女の視線は、自分の反映を見つめながら、珍しく真剣なものだった。今日は彼女の「選択の日」であり、アイセリアでの自分の道を決める日なのだ。
「預言者の洞窟が待っているぞ、ライラ」長老セロンが洞窟に響き渡る声で轟かせた。セロンが近づくと、彼の長い白い髭は地面に触れんばかりだった。「古き習わしを忘れるでない、子よ。決断が運命を形作るのだ。」彼は、化石化した木でできた、小さく精巧に彫刻された箱を携えていた。その彫刻は薄暗い光の中でうごめき、変化しているように見えた。
ライラは洞窟に足を踏み入れた。空気は見えないエネルギーで振動していた。彼女の目の前には、きらめく塵の渦が宙に浮かび、洞窟の壁に渦巻く影を落としていた。これこそが運命の織機、予言者が可能な未来を覗き見るための道具だった。
渦が動き、束の間の映像が明らかになった。深紅の光で輝く壮大な玉座の間。顔を隠した、影に包まれた人物。闇に窒息し、生命を失った川。ライラは息を呑み、その幻影から後ずさりした。
「何が見えた?」セロンは懸念を込めて鋭い声で尋ねた。ライラは言葉を見つけようと苦闘した。「玉座が…深紅の…闇が川を飲み込んでいくのが…」彼女はどもった。セロンの顔は青ざめた。「深紅の玉座…それは実現させてはならない。」
「ルビーの笏だ!」セロンは叫んだ。「あれこそが王位を主張するための鍵だ。間違った者の手に渡る前に、我々が見つけなければならない。」ライラは決意の波を感じた。「どこから始めましょう?」彼女は尋ねた、声に力が戻っていた。セロンは織機の後ろにある隠された通路を指差した。「黒曜石の洞窟だ。」
ライラとセロンは黒曜石の洞窟へと突入した。黒曜石の破片が雪崩のように降り注ぎ、彼らの行く手を阻んだ。洞窟の壁は、地底から響くような唸り声で振動していた。それは、笏の守護者からの挑戦だった。
巨大な黒曜石のゴーレムが影から現れ、その目は溶岩のように赤く光っていた。セロンは両手を上げ、古代の防御呪文を唱えた。「ライラ、宝石の迷宮の話を思い出せ!」彼は叫び、ゴーレムの巨大な拳からの一撃を受け流した。「その弱点は、創造の秘密を理解することにある!」
ライラは目を閉じ、その物語を思い出していた。ゴーレムは、生きた岩と失われた感情の残響を結びつけることによって創造されたのだ。「『素晴らしい仕事をする唯一の方法は、自分のしていることを愛することだ』」と、ライラはスティーブ・ジョブズが言ったことを思い出し、突然叫んだ。「憎しみを憎しみで打ち消すことはできない。私たちは思いやりを示さなければならない!」
ライラはゴーレムの苦痛、その岩のような殻に閉じ込められた悲しみに集中した。彼女は自身の共感を、まるで灯台のように外へと投射した。ゴーレムはよろめき、溶岩の目が薄暗くなった。黒曜石の体に亀裂が入り、幽玄な光の筋が漏れ出した。
ゴーレムは崩れ落ち、黒曜石の破片となって砕け散った。瓦礫の中から、きらめくルビーの笏が浮かび上がった。ライラは手を伸ばしてそれをつかみ、血管を駆け巡る力の奔流を感じた。しかし、それを持っていると、彼女はぞっとするような幻を見た。暗い人影が彼女から笏を奪い取る幻を。
影から深紅のローブをまとった人影が現れ、磨かれた黒曜石の仮面で顔を隠していた。「その笏は私のものだ、ライラ」と、その人影は耳障りで冷たい声で囁いた。「深紅の玉座は私のものになる!」
紅蓮の人物が飛びかかり、笏を奪おうとした。ライラは身をかわし、間一髪でその手から逃れた。セロンはエネルギーの爆発を放ち、その人物の腕に命中させた。黒曜石の仮面が砕け散り、見覚えのある顔が現れた。それは、かつて彼らの共同体の一員であり、嫉妬に囚われたカエレンだった。
「キーレン?」ライラは息をのんだ。「なぜ?」キーレンの目は憎悪に燃えていた。「私はいつも見過ごされてきた! 紅蓮の玉座は私の運命だ、そして私がそれを手に入れる!」彼は闇のエネルギーの波を解き放ち、彼らを圧倒しようとした。
セロンは防御障壁を張り、闇のエネルギーをそらした。「ライラ、セプターの光で彼の闇を打ち払うんだ!」と彼は命じた。ライラは意志を集中させ、セプターの力を引き出した。ルビーの光のまばゆい光線が放たれ、カエレンを直撃した。
ケーレンは、光が彼の心から闇を浄化するにつれて叫び声を上げた。彼は胸を掴んでよろめき下がった。「私には…私には理解できない」と、後悔に満ちた目でささやいた。
ライラはケーレンに近づき、手を差し出した。「まだ間に合うわ、ケーレン」と彼女は静かに言った。「まだ別の道を選ぶことができる」。彼はためらった後、彼女の手を握ったが、その握りは弱かった。ライラの目の前にビジョンが閃いた。ケーレンが川の再建を手伝い、その顔には目的が刻まれていた。
ライラは黒曜石の洞窟から現れ、ルビーの笏を高く掲げていた。彼女は今、自分の道を知っていた。それは統治することではなく、導き、守ることだった。彼女は笏の力を使って川を癒し、エーテリアを統一するだろう。これこそが彼女の真の「選択の日」だった。
川は再び流れ、その水は新たな生命を宿してきらめいていた。ライラは川岸に立ち、宝石の洞窟が光を反射するのを眺めていた。彼女の面影が微笑み返した。そこにはもはや不安はなく、自分の居場所を見つけた者の静かな自信が満ちていた。